梅雨時ドライブ、気をつけて

梅雨は年末年始の次に交通事故が多発する季節です。
ドライバーなら知っておきたい梅雨時に起こる事故の理由と
安全運転対策をお話しします。

日本は正にいま梅雨真っ盛り。
恵みの雨とは言いますが、一方で様々な災害やトラブルが起こります。

つい先日も九州地方で線状降水帯が発生して犠牲者まで出ました。
適度な雨は有り難いですが、命に関わる危険もあるので注意が必要です。

特に交通事故に関しては晴天時の4倍になるというデータもあるほど、
事故率がぐんと上がります。視界悪化による追突事故や歩行者をはねる事故、
ハイドロプレーニング現象などによって制御不能に陥ってしまい
スリップを引き起こして大事故に繋がるケースがあります。

そこで今回、スズキアリーナ瑞穂では雨の日の運転にフォーカスして
安全に梅雨を乗り切るためのノウハウをお伝えしますので
もしよければ参考にしてみて下さいね。


まずは内閣府が公表している「交通事故死者数及び事故発生件数の月別推移」を見てみましょう。

これによると交通事故が一番多いのは年末のようです。
当然物流の量も増えますし、純粋に移動する車両の量も増えます。
年末と正月の準備で民族大移動が発生している感じですね。

そしてその年末年始の次に事故が多いのが7月です。
大型連休などが少ないこの時期になぜ事故が増えるかと言いますと、
もちろん梅雨時期と重なるからに他なりません。

梅雨の時事言いますと一般的には視界の悪化が原因と考えられがちですが、
それは原因のひとつに過ぎずドライバーの心理状態や歩行者の行動にも要因があります。

それでは一つずつ見てみましょう。

1. 雨による視界の悪化

梅雨時はご存じの通り雲に覆われる時間が多いので一日を通して薄暗い状態が多く続きます。
交通事故が多発するのは季節に関係なく明け方と夕方の薄暗い時間帯と言われるとおり、
やはり視界が通常より悪いために状況判断が遅れて事故に繋がると思われます。

さらに雨粒によってフロントガラスやサイドガラスの視認性は大幅に下がりますので
危険な状態が長く続くことになってドライバーに心理的負荷を与え続けます。

雨粒を拭き取るはずのワイパーも視界を妨げる要因の一つになりますので
より注意が必要ですね。

2. 雨音による車外の音の遮断

運転時にドライバーは8割以上目視からの情報によって車を運転すると言われています。
そして、それ以外の情報は「音」を頼りにしているのです。

これが梅雨、特に大雨などによる地面や車体を打つ雨音によって
その重要な情報が遮断されてしまうと、これもまた事故の原因の一つになります。

前方や後方から近寄る車両の音が聞こえないために
出会い頭の事故や衝突事故が発生しやすくなります。

梅雨時には社内の音楽を消して、可能ならば少しだけ窓を開け、
普段より車間距離をとるなどの工夫が必要になります。

3. 雨水による路面の変化

最近の舗装路は水はけの良い素材が使われ始めていて
雨が降っても安全に走れる道路が増えてきましたが、
まだまだ水はけの悪い道路は多く存在します。

水たまりが出来ると当然、グリップ力が落ちてスリップしやすくなりますので
ハイドロプレーニング現象が起こります。

免許取得の際に皆さんも学習していると思いますが、
このハイドロプレーニング現象とはタイヤと地面の間に水が挟まることで
ある一定の速度と水の量が整うと車が氷上のように滑り出すことを言います。

これを防ぐには、スピードを落とし、溝が充分にあるタイヤを装着し、
適切な空気圧を保っておくことが大切です。

4. 歩行者の行動の変化

運転者がいくら気をつけていても仕方がない要素があります。
それが、歩行者の行動です。

特に雨天は傘を差して歩くため、視線が下に向きがちになります。
高齢者の場合はそれがより顕著になります。

そのため前方や周りへの注意がおろそかになり、
晴天時に比べて非常に事故に巻き込まれやすくなります。

さらに子供は雨音にかき消されたエンジン音に気付かず
飛び出したり道路を横切ったりしますのでこれも注意が必要です。

5. ドライバーの心理

晴天時の運転と違い、視界や路面の悪化に加えて音の遮断によって
かなりの集中力が放球されるため運転者には大きな心理的ストレスが掛かります。

ほとんどのドライバーがゆっくり走るために道路は渋滞し、
それによってさらにストレスが増えてイライラしてしまいます。

遅れを取り戻そうとして運転が乱暴になったり、
ついスピードを出しすぎたりしがちになります。

これがスリップ事故や衝突事故を誘発してしまう事は言うまでもありません。


ではここからは何に気をつけるべきかを
それぞれの項目に分けてお伝えして行きます。

【運転に関して】

基本的に梅雨時の運転は視界、路面、聴力の三つが悪化するので
それらを意識して丁寧に運転することが必要になります。

常日頃から言われることではありますが、
スピードを出しすぎない、車間距離を保つ、ハンドルをしっかり持つ、
という運転を心掛けるようにしましょう。

それに加えて歩行者の飛び出しに備えて狭い道は特にゆっくり走ること、
ハイビームを点ける、クラクションを鳴らすなども効果があります。

さらにウィンカーを早めに出す、ブレーキを早めに踏むなどの
安全対策も重要です。

【車両に関して】

梅雨時は運転だけではなく車にも気を配る必要があります。
消耗品であるワイパーの点検は事前に行っておくべきですし、
ゴムの劣化がないか、ブレード自体が劣化空いていないかを確認しましょう。

一般的にワイパーゴムは半年、ワイパーブレードは一年ごとの交換が推奨されています。

交換の目安としては
・筋状の線が残る
・ビビり音が鳴る
・拭きムラが出る
・水がにじんで残る

ワイパーだけではなく窓の油膜を取ったり、撥水コートを施すのも効果的です。
ガラスに関してはカーシャンプーを使って丁寧に洗い流し、
コーティングをして出来るだけ良好な視界を確保しましょう。

それにタイヤの点検も忘れてはなりません。
一般的に溝が4割ほど減ったら交換のタイミングと言われています。

タイヤは高速道路のような直線を走っていてもさほど減りませんが、
ブレーキやカーブ、ハンドルを切るような動作で多くすり減ります。

山道などカーブの多い所を走る機会が多い場合は
出来るだけこまめにチェックしましょう。

【窓の曇りに関して】

梅雨などの雨天時によく経験するのが窓の曇りです。

急に雲って焦ったという話を良く聞きますが、
これは社内に持ち込んだ傘の水分の蒸発であったり、
外気温よりも室内の温度が高い場合に起こる現象です。

この曇りを素早く取るためにはエアコンをONにすることです。
「A/Cスイッチ」を入れてデフロスター(温泉マークに似てます)をONにすれば
すぐに曇りが取れますので覚えておきましょう。


まとめ

梅雨はジメジメして蒸し暑いので只でさえ気分が落ち込みがちですが、
せめて運転する時だけはしっかり備えてゆったりした気持ちを心掛け、
安全運転につとめるようにしましょう。

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